最近読んだ本

  • 小林朋道 / 先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!
  • 小林朋道 / 先生、キジがヤギに縄張り宣言しています!
    ちょっとネタ切れ気味か。ネタの重複がけっこう気になるようになってきた。文章は相変わらずおもしろいです。
  • ドストエフスキー / 罪と罰
    ドストエフスキーの作品は殺人がおきても基本、ミステリー的な理詰めで考えないところが魅力的ですよね。とても支離滅裂なキャラクターが登場しつつ、そこに圧倒的なリアリティを感じさせるのがすばらしい。彼の小説を読むと典型的なミステリー小説に登場する明確な動機と無駄のない行動をする合理的な人間は、ある種のルールにもとづく虚構世界だからこそ存在できるのだということを感じます。とはいえこういう不合理でありながらリアリティのある人間を描くのはなかなかできることではありませんね。特に最後の自白するときの心の中のざわざわする感じまで描かれているくだりは読んでいて息ができなくなるような興奮があります。
  • 村上春樹 / 国境の南、太陽の西
    これって彼の作品の中では登場人物の不安定成分が若干ゆるめですね。人間は不完全な存在で、その不完全さを含めて受け入れていこうというシンプルで前向きなメッセージが後味の中でかなり強め。そこがいやっていう人と、そこがいいっていう人に分かれそう。
  • 井上靖 / あすなろ物語
    こういう時代とともに人が成長していく話は基本、おもしろいですね。薄い本でネタバレになることが多いのでノーコメント。