最近、聴いた音楽

  • As I Lay Dying / Awakened
    もはや安心のブランドといっていいAs I Lay Dyingです。新作は前作ほどのスケール感はありませんが、個々の楽曲のキャラが明快でアルバムとして通して聴いた時に起伏を感じることができます。これだけ密度が高くアグレッシブなリフをつめこみつつ、しっかりと曲ごとの違いを表現できる作曲、アレンジ、演奏は素晴らしいなと感じました。リフは前作はスピード感のあるものが多かったのですが、新作は少しばかり重量感を重視したような感じになっています。As I Lay Dyingは少し悲しげなメロディーセンスが一部で人気ですが、そこの部分は前作よりすこし後退して、少々キャッチーさを感じるメロディーが増えたかなと感じます。ちょっとクリーンボイスの分量が増えたような。とはいえ、基本的な路線はこれまで通りです。楽曲の質も高く、聴き手を一度も退屈させることなく一気に聴かせてしまうアルバムでした。

  • Cryptopsy / Cryptopsy
    複雑かつテクニカルなデスメタルということでは、もはや彼らの右に出るバンドはいないでしょう。デスメタルというと、基本的にはダークな音像がベースになるわけですが、クリプトプシーの場合はそれと同じ位カオティックな雰囲気も感じます。あとドラムは速すぎて逆に疾走感を感じないとか。で、そのダークかつカオティックな調性をおかしくさせるリフが覆い尽くすような音像のなか、ギターがハーモニーをふと奏でたり、モードジャズ的な音になる瞬間があります。曲の展開時にふと挟まれるコードもチョイスがかなりカッコよく、しかもそのコードを歪みきったディストトーションサウンドで奏でるところが破壊的でありながら、クレバーです。彼らはアルバムを重ねるごとに肩の力が抜けてきている感じがします。それをフレッシュさが感じられないと感じるか、地に足の着いた音になってきていると感じるかによって、評価は割れるような気がします。私としては肩の力の入った初期作品は、仰々しく感じるので、このクレイジーな音を少々カジュアルなノリで楽しめる新作は結構好きでした。