オリンパスの記者会見の感想

 上場を維持したいとか、損失の先送りはあって不適切だったといいつつ、粉飾決算をしたとは言わないなど、この期に及んで見苦しいとしか言いようのない会見でした。何がダメって、なにがなんでも逃げ切ってごまかしてやるというわけでもなく、だからといって観念して全部正直に話しますというわけでもない中途半端さ。この粉飾決算自体も、経営陣が私利私欲に走って会社を私物化した訳でもなく、だからといって会社をなんとかして守ろうという強い意志も感じない中途半端さを感じます。この人たちは利己的な個人主義者でもないし、共同体のために滅私奉公する日本的なチームプレイヤーでもないわけです。なんの信念も感じません。

 とりあえず、上場を維持したいようですが、これで上場廃止にならなかった場合は、日本のマーケット自体への不信感が増幅して、海外からの投資が見込めない状況になるので、ここは上場廃止の方向で考えるべきでしょう。まぁ唯一の明るいニュースは関係者三名の刑事告訴オリンパスが前向きなことくらい?最終的に責任を問われるべき人はもう少し増えることになるでしょうが、とりあえず決算の修正と責任の所在の明確化はきっちりやってほしいです。おそらく決算の修正をしたら債務超過になっていることが明らかになるのではと思います。上場廃止になった場合、市場から資金調達も難しいでしょうし、かつてのカネボウの例を見てもオリンパスが現状のままの企業体を維持できる可能性は少ないと思います。少し前なら日本の家電メーカーも買収するエネルギーがあったかもしれませんが、この経済情勢ではオリンパスの今後は茨の道なのではないかと思います。そんなオリンパスのカメラでとった今日の月。このクズな経営者のもとで働いていた技術者の方々がホント気の毒です。

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