オリンパスの新製品について

 フォトキナということでカメラ関連各社から新製品が怒濤のリリース。私に関係のあるオリンパスの新製品についてざっと感想を書いておきましょう。まず新製品ですがカメラボディがE-PL5E-PM2、レンズが望遠マクロのM.ZUIKO ED 60mm F2.8 Macro、広角単焦点M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2、ボディキャップレンズBCL-1580という感じです。
 まずカメラボディから。E-PL5E-PL3の後継としては順当な仕上がりです。モードダイヤル付きで私のニーズを一通り満たしてくれるカメラになっていると感じました。オリンパスのいいところは下位機種でも周辺機器がきっちりサポートされるところで、他社だと下位機種ではリモートレリーズが使えなくなったり、ホットシューが省略されるパターンがあるのですがオリンパスにはそれがありません。撮影素子も上位機種と同等。E-PL3からパワーアップしたのは交換式のグリップが使えるようになったことと、チルト式の液晶の動く範囲が大きくなったこと、タッチパネルの液晶モニタを備えたことでしょう。とはいえ画質がアップしたこと以外は、E-PL3の方が好きかもしれません。デザインはE-PL3の方が好みですし、液晶のチルト機能はあまり使わないように感じます。さらにどうもカメラのタッチパネルは私は苦手で、知らない間にモニタに手が触れていてフォーカスポイントや露出の設定が変化していたりして、どうも好きになれません。E-PL5に関してはダイヤルもボタンの数も十分にある訳ですからタッチパネル機能は無い方が使いやすかったのではと思います。
 E-PM2ですが、こちらはE-PM1の後継機。E-PM1に比べて一気に訴求力があがった気がします。E-PM1はあまりにボタンが少なく露出からピントまで全部カメラまかせの人はかまわないんでしょうが、絞りやシャッター速度を自分で設定したいとなると一気に操作性が悪くなりました。しかしE-PM2はボタンの数が少し増えたのでまともに使えそうな予感がします。とはいえあくまでもタッチパネルベースの操作になりそうですが。E-PL5からは背面のボタンがふたつとモードダイヤルが省略されています。これがどの程度操作性に影響を与えているかでE-PM2が買いかどうかが決まりますね。ちなみにE-PM2も画質や周辺機器のサポートは上位機種とまったく同じです。E-PL5E-PM2の価格差は2万円くらいと考えると、モードダイヤルを含めた操作性とチルト液晶に2万円払う価値があるのかを考えることになりそうです。というかモードダイヤルがあるとカメラの操作性はとてもよくなりますが、まぁ2万円も価格差があるんだからカメラに自分の体を最適化する方向でいく方がいいようにも思います。個人的には以下の操作性をチェックしたいです。

  1. 露出の変更はスムーズか
  2. ISOの変更はスムーズか
  3. フォーカス枠を中央一点に固定できるか。
  4. フォーカス枠を移動させた後、すぐに中央にフォーカス枠をもどすことができるか。
  5. Pモードから絞り優先に露出モードを変更し、絞り値を設定するという一連の流れはスムーズか。
  6. Fnボタンか録画ボタンにカスタムホワイトバランスの設定を割り当てることができるか。
  7. マニュアル露出にしたときに絞りとシャッター速度をスムーズに設定できるか。
  8. 画像再生時に画像の拡大操作がスムーズに行えるか。
  9. 撮影時にヒストグラムはスムーズに呼び出せるか。
  10. マニュアルフォーカス時に拡大なしから、一部拡大への操作の流れはスムーズか。

ここらへんの基準をパスしてくるようなら、E-PL5より2万円近く安くなるE-PM2はお買い得だなと思います。たぶん十字キーに機能が割り振られているので1は大丈夫でしょう。2に関しても十字キーの右と下に機能を割り振ることができるようになっているはずです。3も十字キーに機能がふられていますね。ただ4はどうでしょうか。タッチパネルで一番おきがちな現象は、知らない間に指が液晶に触れてフォーカスポイントが移動してしまうという現象です。その時にすぐにフォーカス枠を中央一点に戻せることは非常に大切です。5に関してはモードダイヤルのないE-PM2ならではの不安ですね。6については私はホワイトバランスはAutoかカスタムを使うことが多いので、カスタムホワイトバランスを素早く設定できることが重要です。他方で私はホワイトバランスを「曇天」とか「日陰」に設定することはほとんどありません。そこでホワイトバランスの設定変更はそれほど重要ではありません。Fnボタンにカスタムホワイトバランスを設定する機能はこれまでのオリンパスのカメラには普通にあったので、この点についてはそれほど心配していません。7についてはダイヤルがひとつしかないカメラではマニュアル露出時になると操作性が一気に悪化するカメラが多いので気になります。ぶつ撮りのときはどうしてもマニュアル露出、マニュアルフォーカスが多くなりますから操作がまどろっこしいとストレスがたまります。8についてはE-PL5から省略されているボタンが再生時に画像の拡大につかうボタンなので、気になります。9はInfoボタンをおすとすぐに出てきそうなので、それほど心配していません。10については私はマニュアルフォーカス時に自動的に画像の一部を拡大する機能を使いません。ただ拡大したくなることもあるので、そのときはどれかボタンを押すとすっと拡大できると便利だなと思います。
 ではレンズについて。まずM.ZUIKO ED 60mm F2.8 Macro。このレンズは欲しいです。オフィシャルサイトのサンプルをみても写りは非常に素晴らしい上、これまでオリンパスマイクロフォーサーズのラインナップに長らく欠けていたマクロというわけで非常に欲しい。画質や性能、機能を含め文句なしの一本です。
 M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2について。個人的には黒の方が好きなので、限定バージョンとかセコい商売をせずに通常ラインナップの製品として販売してほしいです。写りに関しては文句ありません。ただ35mmフォルム換算で焦点距離24mmの広角レンズとなると、そうとうウデがよくないと使いこなせないような気がします。性能に文句はありませんが、買わないと思います。
 BCL-1580について。なかなか面白いアクセサリーを考えましたね。価格も安いですし、まぁ機会があれば買ってもいいでしょう。ただ、あんまり使わない気がするな。
 というわけで現時点ではE-PM2、M.ZUIKO ED 60mm F2.8 Macroが欲しいかな。特にマクロレンズはいいですね。E-PM2は現物を操作してみて操作性に問題を感じなければ欲しいという感じです。あと今回発表された製品ではありませんが、外付けストロボのFL-36Rが欲しいです。FL-300Rを持っているのですが、やはり微妙に光量不足なんですよね。