最近聴いた音楽ともうすぐ発売される音楽

  • Stratovarius / Nemesis
    ティモ・トルキが脱退してからのストラトバリウスは本当にすばらしいバンドになりました。新作でも様式美という音楽の形式はそのままですが、そこには幅広い音楽的背景を感じさせてくれる洗練された音楽が展開されます。しかも圧倒的な安定感と調和はまさにプロフェッショナルというべきでしょう。かつての素人臭さが嘘のようです。演奏も充実している上、ひとつひとつのパートが際立っているため、満足感が大きいです。また歌メロは前作以上にキャッチーになっていて、冒頭に2曲でリスナーのマインドを暖めたあとは『Halcyon Days』『Fantasy』とメロディーが印象的な曲が続き、最後の『Nemesis』もアルバムの最後を飾るのにふさわしい佳曲でした。繰り返しのリスニングに耐える深みと、分かりやすいメロディーを備えたプロフェッショナルな一枚でした。

  • Bullet for My Valentin / Temper Temper
    これはヒットしそう。でもなぁ演奏の存在感は薄くなっちゃたなという印象です。かつてはモダンなセンスとヘヴィメタルの持っているウェットな感覚をあわせもつ貴重な存在でしたが、もはやかつてのウェットな感覚は微かに漂ってすらいないように感じます。これはこれで悪くないんですが、たぶんこのままいったらメタルですらない音楽に行ってしまうような感じがしないでもありません。

  • Soilwork / The Living Infinite
    基本的にはここ数作と同じ方向性の作品で、クオリティにも大きな変化はありません。基本的なクオリティが高いバンドなので、大きな変化がないということはなかなかいいということになります。1曲目から彼らならではの爆発力のある演奏を聴くことができます。ただ、前二作『Sworn To A Great Divide』『The Panic Broadcast』は結構、内容が整理されていた感じだったのですが、新作はあれこれ要素がまじっていて聞き込み要素が増えた分、とっつきにくくなったような印象があります。さらに2枚組なので、より取っ付きにくいような・・・。やっぱりちょっとヴォリュームが多すぎる感は否定できませんね。1枚目の最後の方のメロディアスな曲『 The Windswept Mercy』あたりがほかの曲に埋もれているのももったいないなぁと感じます。2枚目のイントロのリフなんかもヘヴィでかっこいいのに2枚目連続で聴くと、あまり印象に残りません。ここ2作はシンプルであまりヨーロッパ的な感覚が薄れた作品が続きましたが、すこしだけ欧州テイストが戻ってきているように感じます。クオリティには不満はありませんが、個人的はもう少し分かりやすいアルバムの方が好きかな。

と、ここまでが発売済み。そして今月は期待が持てるアルバムが2枚でる。そしてその二つのバンドが共に先行してビデオをYouTubeに公開してくれているので期待を込めて下で紹介。どちらも新作への期待が高まりまくるビデオです。

  • Amaranthe / The Nexus
    前作の方向性を押し進めた内容であることが伺えるビデオです。これは決して期待を裏切らない仕上がりが感じられます。う~ん、楽しみ。
  • Killswitch Engage / Disarm the Descent
    Howard JonesがやめてJesse David Leachが戻ってきたKillswitch Engageの新作ですが、これは素晴らしいでき。ハワードのソウルフルな歌唱も魅力的だったんですが、ジェシーのストレートな歌唱も非常に魅力的。前作もクオリティ的には文句のつけようのない仕上がりだったんですが、サビになるとテンポダウンしてしまう曲が多く、メタル的なドライブ感はちょっと物足りなかったなかと思ったんですが、新作はメタル的な勢いにあふれていることがこの一曲からも伝わってきます。はやく発売して!