サボってたので、めっちゃ溜まってます。そこでYoutubeの貼り付けはパス。いいアルバムがおおかったなぁ。Unleash The Archers、Arch Enemy、Trivium、Galneryusあたりは強烈に印象に残ってます。
- Wardrum / Awaking
正統派のメタルとして順当な成長をしています。ギターが変わったのね。前任は指びきの人でピックを使ってないとは思えないパッセージが印象的だったので、ちょっと残念です。あと前任者は普通にひいてもかるくハーモニクスが混じるサウンドでそこも好きでした。曲毎のムラがなくなり楽曲のクオリティは確実にアップしています。
- Thocracy / Ghost Ship
アメリカのバンドとは思えないクサいセンスを感じさせてくれます。もうちょい洗練された方が好みです。プログレ要素もあるんですが、それほど多くはありません。
- Dragonforce / Reaching Into Infinity
いつも通りです。で一応レビューとしては成立している気がすんですが、まぁメロディの能天気具合は抑え気味になってきていて、個人的には歓迎方向です。一方でキーボードのピロピロうるさいのはあまり好きではありません。でもこの感想も、どのアルバムにも共通してるんだよな～。音楽の形式自体はめっちゃ好みのタイプなのに、音楽自体はそれほど好きになれないという・・・。
- Serenity In Murder / Eclipce
前作はギターのソロがしびれるくらいかっこいい瞬間があって、それが個人的にはハイライトになっていたのですが、新作は楽曲のコントラストがしっかりしていてアルバム全体で構築美が一層推し進められた感じですかね。アルバムの最後で壮大なエンディングが用意されている、そんなアルバムです。一方で一瞬で引き込まれるような瞬間は減ってしまいました。でも、それはアルバムのクオリティとしては全然マイナスになっていませんね。
- Unleash The Archers / Apex
メタルアンセムと呼ぶにふさわしい楽曲をたたみかける素晴らしいアルバムです。心が熱くなり、拳を握り、ヘッドバンギングしたくなるようなメタルらしいメタルを、ここまで気持ちよく聞かせてくれるアルバムはなかなかないのではないでしょうか。しかもVoのブリトニーの声はこういった正統派のメタルをうたうにふさわしい、ハリのあるハイトーンで、ハマりまくっています。前作もなかなかよかったのですが、新作で大きなステップアップが感じられるため、前作がなんかはるか過去の作品のように感じられます。さらに新作ではギターサウンドが大幅にグレードアップしています。前作では、もこもことぬけの悪い音だったのが、新作では真空管の暖かさも感じられつつも、ソリッドで音抜けがよくなっています。そのおかげでソロやツインでのハモりのインパクトが向上し、アルバム全体のクオリティアップにギターが大きく貢献しています。
- Words Of Farewell /A Quiet World
プログレメタルっぽいメロデスをやっているバンドですが、プログレ成分はそれほど多くありません。メロデスとしては平均より上の悪くない仕上がりだと思います。もうちょい強めのインパクトを残せれば、けっこう強力なバンドだと思うんですが・・・
- Withem / The Unforgiven Road
う～ん。なんか印象に残っていません。プログレメタルなんですが、ギターの音作りとかは素朴さをどこかに漂わせているのが個性的。でもメロディーとかテクニカルな展開とか、どこかでおおっと最初に聞き手をひきこむとっかかりが欲しいです。
- Secret Sphere / The Nature Of Time
音楽の方向性自体は好きな感じなのに、なんかいまいちはまれないのはこれまでと同じです。ただ、音楽自体が洗練されて完成度が高まっている点は、これまでよりはいい感じだと思います。
- Cloudscape / Voice Of Reason
これもいまいちだったなぁ。なんか音楽的にポップな割にキャッチーじゃないんですよね。
- Korn / Serenity Of Suffering
これはよかった。はっきりいってKornの音楽性自体は全然好みではないのですが、このアルバムが素晴らしいことは認めざるを得ないし、じっさいかなりヘヴィローテーションになっています。Kornの音楽はヘヴィっていう点が注目されがちですが、もうひとつメタルとしてはリズムに特徴があると思います。そのリズムを生かしたメロディをしっかり展開していることが、新作がこれほど素晴らしい作品になった理由だと思います。
- Nightrage / The Venomous
期待を裏切らない仕上がりのアルバムです。が、ちょっとミドルテンポの割合が高めだなというのはマイナスポイントですかね。前作も素晴らしかったんですが、前々作のアルバムの構成そのままでネタを挿げ替えて作った感じがあって、いいんだけど、これ次もやったらちょっと嫌だなと思っていたんですが、新作はアルバムの構成等も含めて新規な作品になっています。ただ、前のめりの勢いのある作風でいいものを作ろうとすると、どうしても前々作と競合するのでこんな感じになっているのではと思います。とはいえギターハーモニーが作り出す楽曲の起伏などは間違いなく素晴らしかったです。
- Alter Bridge / The Last Hero
ロックらしいダイナミズムとメタルのヘヴィさが融合したような感じはいつもどおりです。こういう音楽はシンプルであることが魅力の一つであるんですが、シンプルであるがゆえに音楽自体はすぐに把握できてしまいます。音の質感や演奏の勢い、一体感、緊張感などが魅力になってきます。音楽自体をじっくり聴くようなスタンスよりは、車を運転や料理をしながらBGMとして聴く方がよさがよくわかり感じですね。
- Arch Enemy / Will To Power
期待を上回る大傑作といっていいと思います。とにかく過去最高のドラマ性とアグレッションで、メンバーチェンジ後2作目とかってダレてくるよねという不安を完全に払しょくしてくれました。アンジェラが抜ける前の惰性でつくってるような感じって何だったんだ・・・。とにかく自分たちのスタイルを完成させ、それを他のバンドでは全くまねできないレベルでやっています。
- Trivium / Sins And Sentence
前作は悪くはなかったんですが、とにかく地味な作品で印象に残りにくかったわけですが、新作はメロディーがけっこういい感じに導入されていて、前作よりは華がある仕上がりです。Triviumは初期は一曲の中にリフの数とかが多くて、曲の途中で突然まったく新しいモチーフが出てきたりと、既成概念にとらわれない（悪く言うと散漫な）曲構成が魅力だったんですが、In Wavesあたりからけっこう保守的な曲構成で曲を作るようになっていました。しかし、新作では再び好き勝手にパターンをつないでいく、初期の斬新な感じが出てきていたのがよかったです。あと、新作ではミドルテンポの曲のメロディーが非常のよいです。The Heart From Your HateやEndless Nightのメロディーはアルバムを聞き終わった後も、ずっと頭の中に乗っている感じです。
- Kee Of Hearts
AORっぽいハードロックです。個人的にはキー・マルセロのギターを久々に聞けたのがよかったです。よく考えればヨーロッパの曲って、キー・マルセロ在籍時のほうが好きな曲多かったです（ジョン・ノーラムのソロアルバムのFace The Truthは好きでした）。曲の完成度はどれも高いんですが、まぁ時代の空気からはかなりずれた感じですな。
- Sons Of Apollo / Psychotic Symphony
マイク・ポートノイが再びプログレメタルをやるということをウリにしているような宣伝がなされています。当然聴く側はドリームシアター的なものを期待することになるわけですが、聴いてみるとその期待はまぁまぁ受け止められつつ、まぁまぁ裏切られつつといった感じですかね。たしかにドリームシアターをマイクが辞めた後のプロジェクトの中では一番プログレ成分は多めです。一方でマイクがなんだかんだいってオーソドックスなヘヴィロックが好きな感じがビシビシ伝わってくるところは、ドリームシアターとは全然ちがいます。というわけでドリームシアター的なものを期待して聴くことになるわけですが、聴いていくとこれはこれで別なバンドとなってきます（そりゃそうだ）。そして、別なバンドの作品として聞くと、アルバムとしてクオリティが高い一方で、まだ熟成されていないというか、やりたいことをやりまくったという感じがなく、今後に期待という感じがします。いいアルバムだったけど、次のアルバムはもっとよくなりそうという感じですかね。
- Galneryus / Ultimate Sacrifice
すげぇ。前作も力作でしたが、新作はそれを超える名盤。というか、名盤という言葉では足りないほどの大傑作です。コンセプトアルバムというだけあってアルバム全体にドラマチックな流れがあり、泣きと高揚が何度も繰り返されます。アルバムの最後の盛り上がりもすさまじく、何度も畳みかけてくるクライマックスにもうおなかいっぱいです。圧倒的な密度と聴きごたえのあるアルバムでした。聴き終えた後は、ため息でもついて放心するしかないでしょう。もはや比肩するバンドなど存在しない孤高の境地に到達してしまいました。素晴らしいとしか言いようがありません。
