XPS12購入の顛末について

 最近DELLのXPS12を購入したのですが、けっこうあれこれありました。その経緯について書いておきたいと思います。まず全体の流れから。

  • 全体の流れ
    9月23日 注文
    9月24日 注文書がEメールにて送られてくる。
    9月25日 本体到着→液晶パネルの初期不良
         DELLサポートへEメールにて不良を連絡
    9月26日 DELLサポートから私宛にEメールの返信あり。
         それに対するレスポンスを私からDELLサポートへ返信。
    9月27日 DELLサポートからの連絡なし
    9月28日 私からDELLサポートへチャットにて連絡。初期不良交換が決定。
    9月30日 DELLより私宛にEメールでの連絡。
         チャットへサポートを引き継いだのでEメールでのサポートはいったん打ち切るとのこと。
         DELLより初期不良交換の電話連絡。二度目の決済処理。
    10月1日 注文書がEメールにて送られてくる。(ここでしっかり内容を確認しておくべきでした!)
    10月2日 2台目の本体到着
    10月3日 本体セットアップ中にオフィスのエディションが違うことに気づく。
    10月3~5日 DELLのサポートにEメール、チャットで連絡を試みるがサービスタグが登録されていないようなので連絡できず。
    10月7日 サービスタグ不要の連絡先へ電話。
         サービスタグが登録されていないこと、プリインストールされているオフィスのエディションが間違っていることを連絡。
         担当者から折り返すとのこと。夕方にDELLから折り返しの電話。
    10月8日 DELL担当者から電話連絡。本体交換の手続き。
    10月9日 DELLよりEメールで見積書、注文書が送られてくる。
    	       DELLより1台目の返品手続書が送られてくる。
    10月11日 3台目の本体到着するが受け取れず。
    10月12日 3台目の本体到着。問題なし。
    	        1台目の本体をDELLに返品するため発送。
    	        DELLから商品に問題がなかったかを確認する電話。
    10月15日 1台目の返品手続書(2通目)が送られてくる。
    
  • DELL初期不良交換をしないというネット上のウワサについて
     で、まず全体の流れどうこう以前に言いたいこととして、ネット上ではDELL初期不良交換をしてくれないということをまことしやかに書いている人が結構います。しかし、少なくとも私に関しては2回にわたって本体を交換してもらうことができました。状況にもよるでしょうが、DELLとしっかりと合意が成立すれば初期不良による交換をしてもらうことができます。ただしDELLにはもっぱら初期不良交換のためのスキームは存在していないと思われます。つまりDELL初期不良が生じた場合、不良のある商品を返品させ、新規にまったく同じ機種の注文をたてることで初期不良交換としています。したがって代金は2度支払い、1回目の支払いが返金される形になります。その意味では純粋な初期不良交換はないともいえるかもしれません。ただし、実質的には初期不良交換と同様の手続きが行われるわけですから、初期不良交換は行われていると考えるべきでしょう。またこの対応は商品の到着より10日以内となっているようです。

  • 注文から1台目の交換手続きまで
     まず注文した機種ですがXPS12のCore i5、メモリ8GB、SSD128GBの即納モデルでした。私が注文したモデルはほぼ10万円ほどでした。私は教職員割引が使えるのですが、DELLでその割引を使うためには本体の代金が12万円を超えている必要があります。そこで私はMS Officeをプリインストールしてもらうことにしました。しかしエディションがPersonalでは微妙に12万円を超えせん。仕事でたまにPower Pointも使うのでOfficeのエディションをHome And Businessに変更すると、ちょうど12万円を200円ほどオーバーします。ここでOfficeのエディションを変更したことが、あとで効いてきます。これで割引を適応してほぼ10万円で購入いたしました。注文から本体の到着までが異常に早いのは即納モデルだからです。DELLの場合、カスタマイズモデルは中国から送られてくるため、かなり時間がかかります。カスタマイズモデルを注文していた場合、初期不良があったら対応にはもっと時間がかかっていたものと思います。
     まず1台目の初期不良ですが、これは液晶モニタの中央からすこし左寄りに画面を縦断する常時発光LEDがありました。画面の中央を縦に一直線にラインが走る形になるため、これは実際に使用は不可能だと考えEメールでサポートに連絡しました。連絡したのは25日の11時頃でした。その際にPC Doctorでテストした結果(すべて異常なし)とドライバのチェック(すでに最新版がインストールされていました)など、私が行った検証と症状を撮影した画像があり、その画像を送信する用意があることを記載しました。DELLのサポートからは9月26日の夜、返信がありました。DELLのテクニカルサポートのページには24時間以内に返信するという記載がありますが、返信があったタイミングは私がメールを発送してから24時間たつギリギリ直前でした。DELLのサポートの稼働率は極めて高いようです。メールでサポートをしてくれたのはDELLの中国人のスタッフでした。日本語は堪能でコミュニケーションに不都合はありませんでした。返信でDELLは2つの点について検証を依頼していました。まずBIOS画面でも同様に画面にラインが走るか、そして、バッテリーをすべて放電し、リセットしたあとでも症状が現れるのかという二点でした。その上で初期不良交換の場合は、テクニカルサポートとは異なる部署での対応となること、そちらの部署への連絡はテクニカルサポートより行うことが可能であることが述べられていました。症状の画像をメールに添付して返信してほしいとも書かれていました。私はすぐに依頼された検証作業を行いました。バッテリーの放電テストは時間がかかるため、BIOS画面でのチェックを優先し、DELLに返信を送りました。DELLへの返信の内容は、BIOS画面でも画面にラインが表示されたこと、バッテリーの放電テストは時間がかかるため結果報告は後になること、症状の撮影画像3点(開封直後の画像2点、BIOS画面での検証画像)です。
     翌日の27日にはDELLから連絡がありませんでした。DELLのサポートは最初のEメールには確かに24時間以内に返信をくれますが、2通目のメールに対する連絡は必ずしも24時間以内にはくれないようです。28日になっても連絡がなかったため、私のほうからチャットでDELLに連絡を取ってみました。チャットの相手はメールでサポートしてくれたのとは別の中国人スタッフでした。このスタッフも日本語は堪能で、これまでの複雑な事情を説明したにも関わらず、まったくコミュニケーションに不都合はありませんでした。チャットでは、私のメールがDELLに届いており、DELL側では初期不良と判断していることがDELLのスタッフから伝えられました。私はそのときバッテリーの放電テストの結果、放電を行ってもラインが消えないことを伝えようと思っていたのですが、DELLとしてはすでに初期不良という判断だということで検証の結果は報告しませんでした。このチャットで私とDELLとの間で初期不良という共通認識が成立しました。DELLはそれを踏まえて、交換と修理のいずれの対応も可能なので希望を聞いてきました。私は交換を希望しました。するとテクニカルサポートでは初期不良交換は取り扱っていないので、後ほど電話で連絡をするということでチャットを終了しました。
     29日は日曜日ということで動きなし。30日の月曜日、午前中にDELLから電話があり、初期不良交換の手順の説明がありました。この電話も中国人の女性スタッフからでした(このスタッフとは何度もやりとりをすることになります)。新規に注文を立て、新しい商品を送ること、あとから返品手続書を送るので、それにしたがって不良だった1台目を送り返してほしいこと、そして返品が確認できた時点でクレジットカード口座へ返金するという内容でした。またここではDELLの内線番号など直通の連絡先も教えてくれました。そして交換品の新規の注文を立てるため、電話で口頭でクレジットカード番号や使用期限、セキュリティコードを伝えました。多くの人は必ずしも常にクレジットカードを持ち歩いているわけではないはずですし、電話でクレジットカード番号を伝えることは周囲の人に聞かれるリスクもあります。ここはもう少し考えてほしいなぁと感じました。同じ30日の午後、26日の夜に私が送ったメールの返信がありました。そのメールにはチャットでサポートを受けたことをうけ、メールでサポートすると話が重複してややこしくなる可能性があるからメールでのサポートを打ち切る旨が書かれていました。私としても、もうすでに交換の話が進んでいるので、それで異存はありませんでした。
     10月1日、注文書がEメールで届きました。DELLは商品を発送したことをメールで教えてくれません。しかし、どうもこの注文書が送られてくるタイミングが商品発送のタイミングのように感じます。私はこの注文書をサラッと見ただけでした。しかし、ここで注文書をよくチェックしておくべきでした。この注文書にしっかりとOffice Personalと記載されていたのです。たしかにXPS12のOfficeプリインストールの即納モデルはOfficeのエディションがデフォルトではPersonalなので、そのまま発送してしまったのでしょう。

  • 2台目の到着から交換終了まで
     10月2日の夜、2台目のXPS12が届きました。その日は残業をしていたので、受け取ってくれたのは嫁でした。帰宅後、開封してみるとハードウェアに問題はないように感じました。ただ、1台目と比べて微妙に本体の立てつけが悪いようで、右側パームレスト下あたりの足が浮いているようでした。右手をつよく本体に押し付けると本体がカタカタと揺れます。また本体の接地が悪いため、モニタ側に本体が倒れやすいように感じました。とはいえ、これは不良というほどではないでしょう。許容範囲と考え、翌日、職場に本体を持って行ってセットアップすることにしました。
     10月3日、職場でOffice2013をインストールしていると、不思議なことにPowerpointがありません。そのときにOfficeがHome and Businessではなく、Personalであることに気づきました。そこでまたテクニカルサポートに連絡しようとすると、DELLのサポートのページでサービスタグがはねられてしまいます。どうやらDELLのデータベースに2台目のXPS12のサービスタグはまだ登録されていないようです。サービスタグが登録されていない場合は48時間待ってくれと表示が出るため、しばらく待ってみることにしました。
     10月6日まで待ちましたが、サービスタグは登録されませんでした。DELLのHPを見ているとサービスタグなしでも連絡できる構成違いなどを連絡する電話の窓口を発見したので、そこに電話をしてみることにしました。電話をしたのは10月6日のお昼前くらいです。10分ちょい待たされる形でサポートにつながりました。電話を受けてくれたのは中国人のスタッフで、彼も日本語は堪能でした。これまでの経緯とプリインストールされていたソフトが間違っていたことを伝えると、スタッフは確認のために1台目と2台目の両方のお客様番号、見積書番号を教えてほしいといいました。が、私はそのときにはそれらを調べることができませんでした。その時にわかる1台目のと2台目のサービスタグと私の電話番号を伝えると、スタッフは必要な事項が確認できたようで、後から連絡するということで、そのときは終わりました。その日の夜8時頃、DELLから電話連絡がありました。1台目の交換の連絡をくれたスタッフと同じ女性でした。この時点では、私は本体交換になると思っていませんでした。エディション違いのOfficeのシリアルを送ってきて、私がPersonalのシリアルを返却して終わるのではと思っていました。しかし、その電話で本体丸ごとの交換対応になると知らされました。電話では2台目のXPS12のプリインストールしたOfficeのエディションを誤っていたことをDELL側で確認できたこと、交換対応になることが伝えられました。そして交換の手続きの電話を改めてするので、それでかまわないかと確認されました。私はそれを了承し、その日の電話を終えました。
     翌日の10月8日の夜、これまた8時頃でしょうか、DELLから本体交換の手続きについて連絡がありました。この電話も1台目の交換手続きをしてくれたのと同じ女性スタッフでした。不思議なことに今回はクレジットカードによる決済処理がありませんでした。そして、今回は構成に誤りがないように、翌日構成の票を送ること、間違いがあった場合は、連絡してほしいこと、連絡がなければ、その構成票の通りのマシンを発送することを伝えられました。翌日の10月9日、まずEメールで見積書が届きました。この書類はこれまでの購入手続きにはなかったものなので。これが電話で言っていた構成の票だと思われます。が、あまり見やすい代物ではありませんでした。ひととおり内容を確認し、間違いないことを確認しました。お昼過ぎに、こんどは1台目のマシンを返却するための返品手続書がEメールで届きました。次に3時頃でしょうか。注文書が届きました。
     10月10日は動きなし。10月11日は帰宅してみると、DELLから荷物の不在通知が入っていましたが、受け取りは翌日になりました。12日に本体を受け取りチェックしましたが、ハードウェア、ソフトウェアともに問題ありませんでした。また、立てつけにも問題はなく、2台目のように足つきが微妙に悪い感じもありませんでした。また、この日、1台目のXPS12をDELLに返送しました。宅配会社に専用の電話番号が用意されており、そこに電話をすると返品する商品をピックアップしてくれる形になります。また伝票は配送会社のほうで用意してくれます。(ただし、そこに記載されていた私の住所が微妙に間違っていました。)私はDELLからEメールで送られてきた書類を本体の梱包に貼り付け、電話をしただけです。また送料についてもDELLが負担してくれます。3台目のXPSをセットアップしていると、DELLから電話があり、新商品に問題がないかの確認がありました。相手はまたもや1台目の交換手続きをしてくれた女性スタッフでした。私は今日、受け取ったところだと伝えると、また不具合があった場合には連絡してくださいといって終了となりました。

  • 3台目の到着後、およびDELLサポートについて総括
     10月15日、DELLから再び返品手続書が送られてきました。最初はてっきり2台目の手続き書かと思ったのですが、サービスタグなどがすべて1台目のものになっています。どうやら、DELL機械的な処理で一定期間返品手続書を送り続けるようです(ここらへん雑ですね)。注意しないと1台目の手続き書を添付して2台目を返却してしまうので、注意する必要があります。現時点でDELL側に残された処理としては1台目の返金手続、2台目の返品手続書の発送、返金手続があります。私のほうは1、2、3台目のマシンの代金支払いと、2台目のマシンの返品手続があります。
     こういった全体の流れを見て、DELLのサポートについてクオリティが低いと感じた人は多いと思います。サポートに日本人が絡んでくることも一度もありませんでした。私もこのサポートをクオリティが高いとは思いません。しかし、私はDELLのサポートは必要十分なものであると感じました。煩雑ではありますが、初期不良の場合はきちんと交換が行われていますし、サポートスタッフの日本語スキル、PCスキルともに十分なものです。サポートの稼働率がもう少し低いと利用しやすいのでしょうが、そのことによって製品価格が上がるのであれば現状のサポート体制で十分だと思います。サポートの途中でBIOS画面を出しての検証など、ユーザー側に一定のスキルを求める過程がありますが、それも問題だと思いません。日本のPCメーカーのサポートはあまりにも無知なユーザーを対象にしているため、結局探求心もなければ勉強する気もないアホなユーザーをサポートするコストが製品価格に転嫁され、そのコストを払うのは結局スキルのあるユーザーだったりします。これほどアホらしいことはありません。そもそもPCの販売やサポートにおいて、おもてなしの精神はそれほど優先順位の高いものではないでしょう。基本的なPCの使い方を知っているユーザーが、その分安くで商品を手に入れることができる選択肢があることを、私は歓迎します。さらに私はこのサポートの過程を通じて中国人のスキル向上が特に印象的でした。私が大学生の頃、DELLの電話サポートを受けた時は大変でした。そのころすでにDELLのサポートは中国人スタッフによっておこなわれていましたが、要件がACアダプタの追加購入あたりの簡単な要件であったにもかかわらず、なかなか伝わらなかった覚えがあります。しかし、今回のサポートを通じて中国人の日本語能力に不満を感じたことは一度もありませんでした。