最近聞いた音楽

  • All That Remains / A War You Cannot Win
    All That Remainsはこれまでもそれなりに質の高いアルバムを作成しているにもかかわらず、どうもインパクト不足で愛聴するような対象にならない作品ばかりでした。しかし、新作はなかなか繰り返し聴かせる内容になっています。理由の一つはあきらかにキャッチーなセンスを増したメロディーラインにあります。これまではアグレッシブに行きたいという気持ちと、キャッチーな要素がせめぎあってどうもすっきりしない作品になっていた感じがありましたが、新作はある種ふっきれた感があって気持ちよく聴くことができます。歌メロはもちろんのこと、ギターがかなりキャッチーです。とはいえ少し前にでたAs I Lay Dyingとかの超アグレッシブな作品を聴いていると、音楽がマイルドすぎてパンチがないと感じることになるかもしれません。ただまぁ攻撃性でアピールするという方向性はライバルが多すぎる訳で、All That Remainsが選択した方向性はこれはこれで正しいと私は感じています。実際、これまでの彼らのアルバムに比べて再生する頻度があきらかに高いです。

  • Papa Roach / Connection
    なんかここ数年、作品が出ても既発曲が半分以上を占めていたりする作品だったりと活動があまり順調ではないような雰囲気だったんですが、どうなっていたんでしょうか。なにはともあれ、ようやく新曲ばかりの本当の意味でのフルレンスの新しいアルバムです。Stone Sourとのツアーも決まっているようでなによりです。作品の内容はこれまでどおりロックンロール的なテイストのヘヴィロックに、ヒップホップ的なノリが若干からんでくるお気楽で安っぽいアメリカンなロックサウンドです。というわけで音の方からはまったく衰えを感じません。それどころかTo Be Lovedをやっていたころのような気負いがなくなり、実に自然体に彼ららしい音を演奏できていて安定感さえ感じます。特に技術的に注目すべきところなどはありませんが、再生するだけで58年式シボレーやポールダンス、ジャックダニエルズを感じさせてくれる作品ということで、最近は貴重な存在だなぁと思います。