- Dragon Force / The Power Within
これまでのDragon Forceの作品に比べ洗練された内容が印象的でした。これまでの彼らの作品はまるで電子音のようなピロピロギターサウンドに、やたら速いリズム、クサくてフックの乏しいメロディーが流れていくという印象がありました。しかし、新作はギターはギターらしいアナログ的な響きを獲得しており、リズムも速さ一辺倒ではなく緩急がつけられています。なによりメロディーがそれほどクサくなくなった分、フックのあるものになっているので、一曲一曲のキャラクターを明確に感じることができます。特に Give Me The Night～Wings Of Liberty～Seasonsの流れはグッときます。かつてないメジャー感を感じる作品で、個人的にはDragon Forceの作品のなかでは一番気に入りました。
- Halestorm / Strange case of
一作目から非常にアメリカ的なヒットチャートで映える作品を作っていたHalestormですが、二作目も路線的にはそれほど変わっていません。一作目がヒットしたのでレコード会社の方針でやたらバラードばかりやるようになったりしないか心配していたのですが、ちゃんとヘヴィな曲もあります。とはいえやはりバラードっぽい曲の比率は標準的なメタルバンドに比べると高めで、ピアノのメンバーなどいないはずがBreak Inはピアノメインのバラードでした。これは一作目をレビューしたときにも書きましたが、このバンドはとにかくヴォーカルが素晴らしい分、ギターがものたりない。ヴォーカルの女性のキャラクターで持ってるようなバンドバランスは微妙だと思います。まぁたしかにシャウトしながらフライングVを弾く姿は非常に魅力的なので、一般的なウリがそっち方向に行くのは分かるのですが、そういうのってけっこう早々に消費されちゃうもんなんじゃないでしょうか。ギタリストもヘタなわけではないので、もっとソロで目立つとか、イントロでユニゾンでインパクトのあるフレーズを演奏するとか、バンドアンサンブルとして聴かせる要素が欲しいです。
