今日は、大阪市立自然史博物館に言ってきました。大化石展というのを特別展として今やっているので、それをみることが目的でした。で、まぁそこそこ期待していたのですが、期待以上にすばらしかった。なにがよかったってカンブリア紀の生物の化石の実物を見ることができたことです。アノマロカリスやマーレラの化石をみることができるとは思いませんでした。まずは常設展から。常設展の方は派手ないかにも化石らしい化石が大量に展示してあります。
ステゴサウルス
オルニトミムス
アケボノゾウ
あと、ゴキブリ関連の資料もけっこういい感じにそろっていたのですが、画像を貼るとちょとしたブラクラになるので自粛。ほかにはアンモナイトの化石はよくそろっていました。
アンモナイトの表面の模様がはっきりと分かる標本もありました。
というわけで、常設展だけでもかなりのボリュームがあり見応えがあります。これで300円は超安い。で、目的の特別展の大化石展。まず化石のレプリカの制作方法についての展示が興味深かったです。
レプリカの作成意図などを説明したパネル。
レプリカの作成方法についてのパネル。
レプリカの作成過程のサンプル。
で、そのあとにカンブリア紀の生物の化石の展示がありました。まず古代の年代区分についての説明のパネル。
このなかでデボン紀などは比較的大きな三葉虫の化石などがバンバン出てきて見た目キャッチーなんですが、個人的に興味があるのはカンブリア紀。この時代の化石はカナダのバージェス頁岩という場所で発見されものが有名で、この時代に一気に生物の多様性が豊かになりました。その多様性の増加を根拠にスティーブン・ジェイ・グールドが断続平衡説を主張することになりました。その説はそれまでの漸進的で適応者が勝ち残る自然淘汰観とは異なる説だったため、生物学および古生物学の分野に大きな影響を与えます。しかし、グールドに対してリチャード・ドーキンスやサイモン・コンウェイ・モリスが自然淘汰は適応した戦略が必然的に選択される過程として理解することが可能だという反論をさらに行います。そのような論争のきっかけとなった生物群の化石をみることができたのが、とてもうれしかったです。
まずカンブリア紀の食物連鎖の頂点に立つ生物、アノマロカリス。
クアマイアこれはカンブリア紀の生物でもバージェス頁岩ではなくチェンジャンで多くみられます。
原始的な三葉虫で表面は固くなかったらしいナラオイア
カンブリア紀の生物としては多く見つかるマーレラ。これも三葉虫の仲間ですが、形はちょっとかわっていて後ろ向きのとげが頭から数本生えているような形状です。
これもバージェスで多く見つかるごついエビみたいな節足動物、カナダスピス。
カンブリア紀に生物の多様性が一気に増えたことをカンブリア爆発といいます。それについて解説したパネル。
現在、生物学の分野ではグールドの立場を支持する人はあまりいません。コンウェイ・モリスの主張は面白みに欠けるかもしれませんが、学術的な誠実さという点では支持できるないようだと私も感じます。パネルの内容もグールドの立場が学術的にマイノリティになっていることをうかがわせる内容になっています。ノベルティーコーナーでぬいぐるみがうっていたので、アノマロカリスとオパビニアのぬいぐるみを買ってかえりました。
オパビニア
フェルディアとハルキゲニアのぬいぐるみも売っていてほしかったのですが、サイズの大きなものしかなく家におく場所がないことを考えて断念しました。