最近聴いた音楽

  • Lita Ford / Living Like a Runaway
    リタ・フォードのニューアルバム、ストレートでシンプルなハードロックでありながら、曲ごとにしっかりと飽きさせない工夫があり、時にキャッチーだったり、ヘヴィだったりと気持ちよく聴くことができる作品でした。昔のハードロックの質感がかなりあるので80年代のノスタルジーも感じることができます。こういう作品は、分かりやすいポイント(たとえばプログレッシブな展開とか)を作って、ひたすらそれを押しまくるような方法論をとることができない分、ミュージシャンとしてのボキャブラリーの豊かさが試される作品だと思うのですが、さすがにキャリアを感じさせる洗練された仕上がりでした。アメリカンな雰囲気と、丁寧な仕事が光る一枚でした。
  • Lita Ford / Wicked Wonderland
    これは素晴らしい作品。リタ・フォードの音楽的背景の豊かさを感じさせつつ、それをハードロック的な手法でしっかりとまとめられています。カッティングのギターやファンキーなグルーブが鮮やかな音像を作り出します。それでいてアルバムにただようチープ&ナスティな雰囲気はまさにハードロックです。もう枯れちゃって人畜無害なサウンドを作っているのかと思っていたのですが、これがなんともアグレッシブでダークかつワイルドなサウンド、しかもアーティストとしてかなりの成長を感じさせる内容でおどろきました。聴き込む価値のある一枚だと思います。

  • Hardline / Danger Zone
    ハードロック史に残る名作“Doble Eclipse”をリリースしたバンド、Hardlineの新作。さすがに“Doble Eclipse”ほどのメジャー感、スケール感はありませんが丁寧なアレンジとキャッチーなメロディーでそつのない作品に仕上がっています。とくにメロディーセンスはなかなかのものなんですが、まぁリズムが一本調子だったりでちょっとインパクトには欠けるかな。もうちょいスピードチューンや仰々しいパワーバラードなんかがあってもよかったんじゃないかと思います。
  • Danger Danger / Revolve
    これはホント80年代のままのサウンドプロダクションですね。しかも演奏のインパクトが減っている分、聴いた後なんにも残りません。耳あたりのいいメロディーは鳴っていて、しかも丁寧につくりこまれているのですが、もうちょっとなんとかならなかったもんでしょうか。
  • Yellowcard / Southern Air
    パンクに分類されていますが、ギターポップとかそういう感じですよね。たしかにメロディーはいいし、この単調な演奏でこれだけ曲のバリエーションを作り出している訳で、その点はすごいんでしょうが、こう聴きこんでいくだけの深みはないなぁとしかいいようがありません。とっても良心を感じさせる音です。