最近聴いた音楽をまとめておく

なんかほかにもあったような気がするんですが、覚えてるのはこんなもん。

  • Arch Enemy /KHAOS LEGIONS
     音質がとってもクリアになりました。今まではミサイルで攻撃されていたのが、レーザービームで攻撃されてる感じ?アンジェラ・ゴソウのグロウルはこれまでどおり破壊的で音程を余り感じさせないものですが、これまでに比べ丁寧な歌い回しを感じることができました。曲も練られていて、泣きのギターやリズムチェンジも凝っています。しかし、その音質と丁寧な作りはアルバムの最初の方はけっこういい感じなんですが、途中あたりからなんだか中だるみっぽい雰囲気になってきます。リズムチェンジが多用されているんで、一概に速い曲がないわけでもないんですがなんか全般的にメリハリとスピード感に欠けるどんよりとした雰囲気のアルバムになってしまっています。Arch Enemyはヨーロッパ的な叙情的でドラマ性のある楽曲を期待するファンに応えようと、こういった路線に進んでいるのだと思うのですが、実はアンジェラがボーカルを務める今のArch Enemyには『ANTHEMS OF REBELLION』~『Doomsday Machine』のようなちょいアメリカンなヨーロピアンメタルっていう路線があっていたように思います。というか私は『Doomsday Machine』がかなり好きでした。


  • Children of Bodom/Relentless Reckless Forever
     『Hate Crew Deathroll』を超えるアルバムがなかったCoBですが、今作は確実に最高傑作と言えるのではないでしょうか。今作をすばらしくしているのはなんといってもギタープレイのクオリティで、テクニカルかつメロディアスなプレイがたっぷりです。特に一曲目のNot My Funeralのギターはキレまくりです。アンサンブルの一体感も今まで以上で、息の合い方が尋常ではありません。とはいうものの、一曲目のシングルカットはなぜこの曲?


  • Darkest Hour/The Human Romance
     Darkest Hourはサビになるとクリーンボイスになる訳でもなく、特にドラマティックな曲展開があるわけでもないにもかかわらず、なんとも叙情的な雰囲気が漂うデスメタルというのが私のイメージなのですが、今作もその路線の音楽です。ただ、本人たちもそこらへんをしっかり意識して作ったようで、意図的にそういう音にしようという意思を感じます。とはいえ、いやらしくない範囲に収まっているので個人的にはいやな感じはしませんでした。『Severed into Separates』は聴きやすいキラーチューンですが、ほかの曲にくらべるとヘヴィさがちょっと足りないような。とはいえ全体的にいつもどおり、期待通りという感じで、このバンドは安定感が魅力です。『Man and Swine』という曲のタイトルはいいですね。


  • In Flames/Sounds of a Playground Fading
     スピード感がないという点ではArch Enemyと同じですが、聴いた後の充実感はまったく逆。こちらはすばらしいアルバムです。とはいえ私は『Reroute To Remain』以降のアメリカマーケットを意識したIn Flamesサウンドがかなり好きです。まぁアルバムのタイトルを聴いた時から、予感はありました。日本語に訳すと「遊び場の音が消えていく」。メタルにありがちなDeathとかDevilとかKaosとかいったワードを使わず、日常的な言葉を用いて、なんとなく背後に忍び寄る不穏な空気を感じさせるアルバムタイトルは、まさに今のIn Flamesサウンドにぴったりだと感じました。アルバムの方もそんな感じで、かつてのIn Flamesのようなスピード感や分かりやすいメロディーはありませんが、深みのあるサウンドで聴きこめる内容となっています。永く聴けるコストパフォーマンスの高い一枚だと感じました。


  • Symphony X/Iconoclast
     私がSymphony Xを初めて聴いたのはDream Theaterの名作『Images and Words』が世に出た直後でした。もう15年ほど前ですね。そのとき、私は「あぁドリームシアターの柳の下のドジョウ狙いか。まぁすぐ消えるだろうけど、この手の音楽はけっこう好きだし聴いとくか。」と思いました。しかし、それは間違いでSymphony Xはオリジナルな魅力をもつ新作を未だにリリースしています(そういえばShadow Galleryもそれが当てはまるな)。しかも新作の密度はすごいです。テクニカルな演奏、変拍子、ユニゾンが息つく間もなく繰り出されます。これ以上、難易度の高い楽曲を作ることは無理なのではないかと思うほど、複雑です。けっこうな回数聴いているんですが、いまだにアルバムの全容が把握できたという感覚がありません。『Dehumanized』のリフが半端なくカッコいいです。気に入るとか気に入らないとか、そういう次元を超えたすさまじい完成度のアルバムです。


  • Amaranth
     すごくキャッチーでポップです。不思議なのはメンバー構成。ヴォーカルが三人いることに注目が集まっていますが、個人的に注目したいのはギターがキーボド兼任の一人のところ。ライブだとサポートメンバー使うんでしょうね。しかし、ギターってメタルだとかなめになる部分だと思うんですが、そこがサポートメンバー前提のバンドってなんなんでしょうね。一曲目もソロがありませんし。とはいえソロがある曲では、けっこうテクニカルに弾きまくっています。リフはけっこうカッコいいですし、アレンジもセンスがいいので、せめてもうちょっとデス声の比率をあげていただけると、私としては聴きやすいです。女性ボーカルを担当しているElizeはひじょうにうまいです。ただキャッチーなぶん、あきるのも早そうです。


  • Vicious Rumors/Razorback Killers
     まだ十分に聴けていませんが、悪くないです。個人的には『Welcome to the Ball』あたりまでは好きだったんですが、それ以降どうもね。ぜひとも安定した活動を望みたいです。新加入のヴォーカルはけっこういいんじゃないでしょうか。Vicious Rumorsのヴォーカルはハイトーンがしっかり出ないとしんどいですよね。ただ下に貼ったビデオを見る限り、どうもお金がないような感じがすごい伝わってきます。安定した活動は難しいか?


  • Sister Sin/True Sound of the Underground
     80年代のモトリーとラットをあわせたみたいな音楽。キャッチーで分かりやすいです。ビデオをみて、この感じなんか既視感があるなぁとおもったらDead by Aprilとつながりがあるとしって納得。こういうケレン味のロックをプロデュースできる人材がスウェーデンにはいるんですね。まぁスウェーデンには昔、Shotgun Messiahとかもいましたからね。


  • Scar Symmetry/Unseen Empire
     Scar Symmetryの魅力を凝縮させたアルバムになっています。キャッチーなメロディーはこれまで以上にキャッチーに。ヘヴィな部分はこれまで以上にヘヴィに。サイバーな雰囲気も健在です。最初の頃の作品はすこし冗長な雰囲気もありましたが、最近の作品からはそれもなくなりましたし、これだけのクオリティのものをコンスタントに発表できることはすばらしいと思います。


  • Pagan's Mind/Heavenly Ecstasy
     プログレメタルというには、プログレッシブな要素が弱いような。Symphony Xとか聴いて、ちょっとテクニックがインフレしてるのかな。むしろヴォーカルがいいと思いました。