最近聞いた音楽

  • Amaranthe / Massive Addictive
     前作の時点からすでにメタルバンドとは思えない曲調の曲が含まれていた訳ですが、前作はアルバムの冒頭数曲が既定路線だったため、それほどメタルからそとへ踏み出した印象がなかった訳ですが、新作は冒頭からガンガンメタルにないメロディーラインやリズムが導入され、アルバムの雰囲気はずいぶんカラフルです。ヘヴィなギターによるコードワークやグロウルなどメタルのツールは使われているためサウンドはメタルですが、曲調は完全にダンサブルなポップスという独自の境地を開拓した印象があります。ただ、メタルっっぽくないメロディーはDanger Zoneあたりでピークを迎えて、その後は急速にメタルっぽさが復活します。とはいえ私は前半のオリジナリティにあふれたサウンドが気に入りました。


  • Riot / Unleash the Fire
     オーソドックスなメタル、無印のメタルの伝承者Riotの新作。とはいえ前作リリース後、中心人物のマーク・リアリを失い、黄金期を支えたヴォーカリスト、トニー・ムーアも不在、というわけで、どうなることやらと思ったら、むしろこれまでよりいい感じでした。たとえば前作はなんちゅーか、たしかにメタルの典型的なフレーズやアレンジ、リズムが次から次へと出てくるのですが、不思議と感動がない、むしろお決まりのパターンを踏襲しましたというマンネリ感ばまりを感じるアルバムでした。はっきり言って演奏のテンションも低かったように感じました。新作の魅力は何と言ってもアルバム全編から放たれるフレッシュな演奏、創造性です。いかにもメタルの文法にそっていながらも、ただの焼き直しではなく、新規のアイデアを演奏しているのだという勢いがあふれています。そしてすばらしいのは新ヴォーカルのトッド・マイケル・ホール。Riotの音楽に欠かせないハイトーンを安定して聴かせてくれます。声質もトニー・ムーア時代を愛するファンにもまったく違和感を感じさせません。マーク・リアリはすばらしい音楽を作り出す才能を持っていながら、アメリカのマーケットにその感性がマッチしなかったばっかりに最後まで不遇でしたが、Riotの今後には期待できると感じさせる、入魂の一枚でした。

  • Moonkings / Vandenberg's Moonkings
     ツェッペリンあたりを彷彿させるブルースロックなんですが、アメリカンな感じが薄くて、たいしてスモーキーでもアーシーでもないという独特のサウンドです。あんまりクドくないのが好きな人にはいいんでしょうが、わたしはあまりに薄味でちょっと物足りなく感じました。ぶっちゃけ、ヴァンデンバーグがかつてやってたManic Edenと同じ方向性ですが、Manic Edenのときはヴォーカルがリトルシーザーの人(なまえ忘れた)で、表現力が抜群だったため、かんりグッと来ましたが、この新しいバンドはそれほどでもないなぁという感じです。もっと泥臭くて、シブいのがいいけど、それってヴァンデンバーグはやりたくないんだろうなぁ・・・