最近聴いた音楽

  • Animals As Leaders / Animals As Leaders
    8弦ギター×2とドラムという変則的な編成のインストゥルメンタルプログレッシブメタルバンドのファーストアルバム。ヘヴィなリフとテンションコード、変拍子が交錯するサウンド、複雑な音楽をものともしないテクニカルなギターワークはすばらしいとしかいいようがありません。そもそもエレキギターという楽器はディストーションをかけるとコードヴォイシングがわかりにくく、パワーコードもテンションコードもみんな同じように聴こえてしまいます。そのため歪んだサウンドフュージョン的な調性を次々と変えていくような音楽を両立させるためには、アレンジを工夫する必要があるわけですが、まったくそのような苦労を感じないクリエイティヴィティの高さは底が知れません。このようなフュージョンメタルサウンドは、未来的でSF映画のワンシーンや宇宙的な映像を想起させるものが多いわけですが、このバンドの場合、すこしシニカルなイメージがあるのが独自性だと感じました。というか、このバンドのライブ観たいなぁ!!

  • Animals As Leaders / Weightless
    Animals As Leadersのセカンド。基本的にはファーストの延長線上にある音です。ヘヴィさが増し、同時にクリーントーンで複雑なコードが次から次へと畳み掛けられます。ヘヴィさが増した分、シニカルさは少しばかり退いた感があります。こうして2枚アルバムを聴くと、このAnimals As Leadersというバンドは単にテクニックや音楽的知識がすごいだけではなく、それらをくみあわせて独自のサウンドへと構成していくセンスがすごいのだということがわかります。やっぱりライブ観たいなぁ。

  • Chimp Spanner / All Roads Lead Here
     スペーシーで宇宙的なスケールの大きなインストゥルメンタルプログレッシブメタルを展開していたChimp Spannerのミニアルバム。現時点では最新作。これまでの作品にくらべ、フュージョン的でモーダルなエッセンスが減り、ヘヴィネスが圧倒的に増量されました。その結果、聴きやすくなった分どうも独自の世界観という魅力は減ってしまったようにも感じます。たしかにメタルファンとしてはヘヴィになるという方向性はうれしい半面、Chimp Spannerらしい音楽をやってほしいという気持ちもあり、なかなか難しいところです。

  • Deafheaven / Sunbather
    不思議な音楽で、ジャンル的にはブラックメタルらしいのですが、音から想起されるイメージは幼い日々への憧憬であったり、恋人を待っている時のそわそわ感といった、優しさにも似た感情です。たしかに音を作っている個々の要素はブラストビートや、歪みきったギター、がなり立てるヴォーカルといったメタルにルーツを持つものではあるのですが、それらの要素が組合わさったとき、その音楽はあたかも遠くに浮かび上がる蜃気楼のようにおぼろげに感じられます。音から感じる質感というか、肌触りはまったくメタルと異なっています。アルバムのジャケットもどっかのおしゃれなブランドのロゴみたいですし、う~ん、これは名盤だけど、メタル好きのニーズをみたしたものではないように感じるなぁ。